その20 After You

日頃、街を歩いていて「イラッ」とすること、まぁ、色々とあるとは思いますが・・・ ①手動のドアを開けて通る時、②エレベーターを降りる時、、、、あるある、ではないでしょうか。

私がイギリスに留学して最初に「ほぅ、すごいなぁ」と思ったことの一つ、それがこの、手動のドアを通る時です。

おそらく、皆さんも諸外国で同じような経験があると思いますが、 イギリスでは、手動のドアを開けて自分が通ったら、後ろを振り返って、次にそのドアを通ろうとしている人がいれば、その人がドアに辿り着くまで(あまりに遠ければ別です)ドアを押さえて開けたまま待ってあげます。 で、次の人は、前の人がドアを押さえていてくれるのだから、自分がドアを通る時はその押さえたドアを受け継ぎ(押さえてくれているからといって、そのまますり抜けたりは絶対にしない)、そして自分の後に誰か来ないか、後ろを振り返ってチェック。

デパートの入り口とか、ビルの入り口、色んなところで、これが当たり前のこと。 そしてどんな時でも、押さえていてくれた人には感謝の気持ちを持ってThank youと言う。 街行く人が助け合っている、同じ街に、同じ地球に暮らしているんだなぁ、という優しい気持ちになる、とても良い習慣だと思います。

その②、エレベーターにて。 たとえば、もしエレベーターに2人の他人が乗っていて、2人とも同じ階で降りるとします。 それが男女1人ずつだったら、降りる時、男性は必ず女性に道をゆずり、後から降ります。 「After you.(お先にどうぞ)」 もちろん、男性同士、女性同士だったとしても、譲り合う気持ちは常にあります。 こんな習慣の国から帰って来て、わたくし日本では、いまだに時々ショックを受けるのです。

まず、手動ドア。 私がドアを押さえて待っていても、次に通る人、「ありがとう」って言わない人がいる。 もっと傷つくのは、私にドアを押さえさせたままスルッと通り抜ける人が結構いるのです。

そんな時は、私はServant(召使い)か!?と突っ込みたくなります。

エレベーターでも、「お先にどうぞ」というそぶりがない人が、ヨーロッパよりも確実に多い。 デパートやスーパーで、混んでいたり、皆が荷物をたくさん持っているようなエレベーターでは、比較的譲り合っていると思いますが、上に書いたような、エレベーターに2人・・・みたいな時。特にオジサン(・・・というのは、オジサンへの偏見もありますが)。

例えば私が、待っていたエレベーターに乗ったところに、オジサンがススッ・・・と早歩きで、後から乗ってきたとします。そして私に気を配ることもなく、降りる時には真っ先に(しかも降りる前に極限までドアの近くに近付いて、自分が先に降りるぞ、という雰囲気を作っておいて)降りて去ってゆくのです。当然無言。 女性として当然「レディーファースト」の権利があると思っている私は、こういう時、「なんで先に降りるわけ?しかもあなたの方が後に乗ってきたのに!」とムカッとしてしまいます。

もちろん、どちらが先に乗ったかなんて関係ないですけれど、それこそ「お先に」というそぶりもなく去っていかれると、残念感が。

さてさて。 でもね、ここまでの話を踏まえてですが、 日本には、西洋と同じ意味でのレディーファーストという習慣はないわけです。 ドアを押さえて待っていてあげる決まりも、特にない。(普通に親切な人はやりますが) だから、イギリスと同じことを期待する方が間違っているのだと思うのです。 ここは日本。

でもねぇ、After you. って言われると、とってもいい気分で過ごせるんです。 ドアを押さえててもらったり、自分が押さえてたことに「Thanks!」と言われると、気持ちが明るくなるんです。が・・・

日本にはそういう習慣はない、ということを理解して、いちいち「イラッとしない」ということが逆に、文化を受け入れる、ということなのかな・・・とも、思うのです。

だからね、私はまず、イラッとしないようにしなきゃ、いけないのですけれども。 わたくし、ダメなんですよねぇ。 ドアを押さえてあげて感謝されないのなら、目の前でドア閉めたろか!?と思ったり・・・ エレベーターからいち早く降りようとするオジサンをド突いて、自分が先に降りたろか!?と思ったり・・・!!! 危険、危険。 なんだ、結局私が短気なだけじゃないですか。 穏やかに、穏やかに。

それこそ、After you と、スッと口から出てくるような余裕を持ちたいものです。

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