コンディショニング&トレーニング
「レッスン」のページにも記載しておりますが、
私がヴァイオリンを指導する時に1番大事にしていることは、「ゆるぎない基礎」です。
どんなに表現したい事があっても、個性があっても、それを実現する技術が足りなければ、聴く人まで届けることは出来ません。
では、その技術を下支えするのはなんでしょうか?
それは、機能的で強い身体だと、私は考えます。
練習と勉強、そして?
学習者が、演奏レベルを上げるために必要なことといえば、
①毎日の楽器の「練習」
②音楽への理解を深めるための「勉強」
この2つの要素が基本、と考えるのが、これまでの常識だと思います。
では、その、①「練習」に関して。
練習をしたら、誰でも、同じだけ上達するのでしょうか?
そうではありませんね。
「いくら練習しても、成果が思い通りでない」
「言われた通りやっているのに、OKがもらえない」
ということは良くあります。
人それぞれに、得意不得意がありますので当然ですが、もしかしたらその差は、身体のコンディション(姿勢や筋力)にも原因があるのではないでしょうか。
そんな風に感じる方は、
「ヴァイオリンを弾くことが楽になる」「上達が早くなる」ような身体づくりを、考えてみませんか?
ヴァイオリンの上達のための3つ目の要素は「身体づくり」です。
人それぞれの「癖」
ヴァイオリンの持ち方というのは、誰もが「大変そう」と思うような恰好をします。
小さい頃から習い始めるので、始めは筋力も低く、大人と同じようなフォームを体得することは出来ません。
成長するにつれ、段々とフォームを修正し、身体の使い方を覚えて行ければ良いのですが、
様々な「癖」を身に着けながら中級者以上に育ってしまう場合も、よくあります。
個人差もありますので、身体の成長と曲の難易度のバランスが崩れてしまうことも、あります。
「癖」にも程度があります。許容できる「癖」であれば、無理に直すことはありません。でも、その「癖」のせいで、明らかに演奏効果に影響が出ていたり、技術が上達しにくい・・・と言う場合は、直した方がよいですよね。
では、どう直したらよいのか。
ヴァイオリンを弾く動作を見直すことが必要なわけですが、より良い動作を体得するのに、普段の身体の姿勢や使い方、筋力の弱さなどが関わっていることが多くあります。
そんな場合、ヴァイオリンの練習だけをいくら頑張っても、なかなか改善しません。
長時間の練習が、痛みに繋がってしまうリスクもあります。
練習とは別途、身体のコンディショ二ング・身体づくりに向き合ってみることをお薦めします。
例えば、こんなお悩みのある方
・うまく楽器が持てていない気がする
・首や肩が痛くなってしまう
・弓が真っ直ぐにならない
・音が綺麗にならない
・響きが少ない
・身体が固いと言われる
・手首が固いと言われる
・練習しているのに、なかなか上達しない技術がある
・速いパッセージが苦手
・弓をもっと自由に使えるようになりたい
・先生の言う通りにやっているのに、違うと言われる or 違う気がする
・思い通りの音が出ずらい
・腰が痛い(座奏が多い時など)
・疲れやすい
・首肩が異常に凝る
・痛みが出やすい
・・・
このようなお悩みは、
身体の使い方の癖や、筋力不足、可動域などを、エクササイズで改善していくと、自然と出来る様になる事が多いです。
体幹力
「体幹トレーニング」という言葉に、今や特別感はありません。
体幹を鍛えることの効果は、皆さんもよく知っている、あるいは想像しやすいと思います。
スポーツ選手が体幹トレーニングをしている姿を、テレビで見ることも多いです。
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ヴァイオリンに限らず、楽器を弾くということは、腕や手を起用に使うということです。
そして、特にヴァイオリンは、腕を上下左右に動かします。
時にはかなりのスピードやパワーをもって動かすものです。
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曲を弾く時に、「あの人のようにカッコよく弾きたい」と思っていても、自分の弾き方はなんだか違う・・・ということ、ありませんか?
もしかしたらそれは、見えない「体幹」に鍵があるのかもしれません。
身体の中心がより安定し、強くなると、末端部分の操作性も上がります。スポーツと同じです。