その42 ヴァイオリニストの筋トレ③ (リハビリ編) ドローイン

その42 ヴァイオリニストの筋トレ③ (リハビリ編) ドローイン

腹筋に力を入れる?

前回、「チェストアップ」の時に、「腹筋に力を入れる」というお話にも触れました。

「チェストアップ」をしようとしても、腹筋が抜けてたら意味がありません。というか、腹筋が入っていないと、チェストアップは出来ません。

その他、どんなエクササイズをする時にも、体幹がしっかり固定されていないと、身体の中心がブレてしまい、エクササイズにならないので、腹筋が必要不可欠となります。

「腹筋を鍛える」というと、クランチ(仰向けになって、起き上がる)というエクササイズを思い浮かべる方が多いと思いますが、それは主に「腹直筋(ふくちょくきん)」(アウターマッスル)を鍛えるものです。

それはそれで超大事なのですが、その前に私は、トレーニングの前段階である「ドローイン」を習いました。

ドローインってなに?

「ドローイン」って、昔流行りましたね。ダイエットになる、とか…。

ダイエットとしての効果があるのかどうかは、正直わかりません笑 (おそらく人によっては、少しはなるはず)

「ドローイン」とは、「腹横筋(ふくおうきん)」を「意識して収縮させる」ということです。

腹横筋は、腹直筋よりも深層にある、大きな平べったい筋肉です。その部分を収縮させて固めると、天然のコルセットのような状態となり、体幹が安定するのだそうです。

囲った部分に今見えているのは、外腹斜筋(アウターマッスル)
もっと深層にあるのが、腹横筋。
前からグルっと後ろまであります。

ドローインのやり方

では、どうやってやるのか。

はじめは呼吸と連動して行います。息を吐きながらお腹をへこませていく 

→ そして「もうこれ以上へこまない!」と思っても、さらにへこませようとする! (ここが大事)

→ そうすると、腹横筋がギューーーーーッと、収縮されていきます。

そして、その収縮感を保ちながら、胸で呼吸をしたり(胸式呼吸)、

または、収縮と弛緩を繰り返したり(呼吸と連動すると腹式呼吸となる)、します。

それが出来るようになったら、今度は、呼吸と連動しなくても「腹横筋だけ」を収縮⇔弛緩できるようにしていきます。

お腹の、深層の筋肉をコントロールできるようになるって、不思議な気分ですね。(深層でなくても、コントロールするのは難しいのに)

必ず気をつけること

私の場合、初めてこのエクササイズをしようとしたら、お腹を凹ませると同時に骨盤が後傾してしまったり、腰が力んでしまったり・・・。

それらは、「動かない腹横筋」の代償として出てしまう動きでした。

なので、なるべく「腰を力ませない」、「骨盤は後傾しない」など、「他の部位に代償が出ないように」行うよう、指導されました。

この「他の部位に代償を出さずに」というのは、私の場合、この後の様々なエクササイズで、大事なポイントとなっていくこととなります。

「ドローイン」は、お腹をへこませたり、膨らませたりするだけ・・・・と、簡単そうに見えますが、

目視できないし(お腹の膨らみは見えますが、腹横筋は見えない)、正しく出来ているという感覚を掴むのが難しかったものです。

スクワット、マシントレーニング、肩のエクササイズ・・・・、何をやるにしても、先にドローインをしておくことが大前提です。

最近は、トレーニングの負荷が少しだけ上がってきた分、マスターしたはずのドローインが、いつの間にか抜けてしまうことがあるようで。まだまだだなぁ・・・と思います。

ドローインとヴァイオリンの関係

ヴァイオリン演奏の際も、お腹が締まっていないと、たちまち姿勢が悪くなります。

姿勢が悪いと、楽器の位置が安定しなかったり、保持するために身体の色々なところに余計な負担がかかってしまったり。そうすると、指の動きやビブラートに影響してきます。(指が正確に動かせない、速く動かせない、ビブラートがきちんと出来ない等…)

特に「ビブラートが細かくなってしまう」(いわゆる、ちりめんビブラート)、という方は、上半身が力みすぎている可能性があります。そんな時にも、ドローインが効果的です。

「上半身が力みすぎていないか客観的な意見を知りたい!」「力みを減らしたい!」等、なにかありましたら、お気軽にご相談ください。

↓ 動画では、ドローインをしながら、胸式呼吸をしてみました。

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