その60 今年のこだわり~リサイタルを構成する、様々なパーツについて~
今年のリサイタルの準備において、演奏以外の部分で、こだわったポイントや、印象に残ったことなどを、振り返りながらお話していきたいと思います。
チラシ
リサイタルの情報を公開するに当たり、最初に皆さんの目に触れる、「チラシ」「フライヤー」。
チラシに使う写真は、2015年から前回までは、2015年に撮影したものを使っていました。
クラシックの音楽家は、トップアーティストなら別ですが、通常は(私のレベルでは)それほど頻繁に写真撮影をしません。10年、20年前の写真をプロフィール写真として使用している音楽家は沢山いて、ステージに登場した途端に「見かけが全然違う!」という人、けっこう沢山います。
私の場合は、2015年から見かけはそんなに変わっていませんでしたが・・・
やはり、チラシを作成する時にマンネリ化してしまうので、さすがに「そろそろ撮りたい」と思っていたところにコロナ禍になり、なかなか撮影するタイミングがなかったのでした。
今回こそは新しい写真を、と思っていたところ、友人ピアニストも「私、そろそろ撮るよ」と言うので、(同じスタジオ希望なので)、「じゃあ同じ日に撮ろう!」ということで、やっと予約をして撮影へ。
8年振りにリニューアルした写真を使い、チラシのデザインも一新しました。
昨年までの数回は、実は自分でデザインをしていたのですが、さすがに素人っぽいので(それでも一応見るに耐えうるチラシだったのは、ひとえに写真家さんの腕のお陰です)、
信頼できるデザイナーさんに依頼をして、こだわって作りました。
結果、素敵なチラシが出来上がり、リサイタルへのモチベーションも高く保つ事ができました。
ドレス
ドレスは、オーダーで作っていただいています。
・・・と言うと、贅沢な!すごく高いんじゃない!?と思われるかもしれません…
確かに、格安ドレスよりはお金はかかります…が…
高級ドレスに比べたらとても良心的な価格です。
そして、私の場合、ドレスの生地が格安なのです。
今までオーダーメイドで作っていただいたドレスの「生地」は、昔、母がロンドンで購入したセール品です(盛大なネタバレ)。
でも実は、今回のリサイタルのドレスに関しては、もっと驚きですよ?
今回のドレス、元は、元生徒さんの卒業記念のドレスでした。(アメリカンスクールの卒業時)
それを、お下がりで「貰った」のです。
が、デザインが演奏に適していなかったので(腕が上がらない、など)、丸ごとリフォームをしてもらい、演奏しやすいデザインに作り替えました。
正直、リフォーム代は、元のドレス代よりもかかっていますが、生地代はゼロです(元生徒様、ありがとうございます)。
元々、とても贅沢にふんだんに生地が使用されているドレスだったので、リフォームしても、ゴージャスさが際立ちました。
プログラム
プログラム内の曲目解説に関しては、以前から一貫して「自分の文章で書く」というのを続けていますが、今回、プログラムに関して初めての試みをしてみました。それは広告掲載です。
基本的に広告は、「プログラムに広告を掲載させていただくので、少しばかり、リサイタルへご支援をお願いいたします」というものですが、
それだけはでなく、驚きの効果がありました。それは・・・
「支援してくださる方々と、一緒にリサイタルを作る」という気持ちになれたこと。
「広告を出してくださっている方々に恥じないようなコンサートを作らなければ」という、言い換えればプレッシャーを感じ、「最高のものにしよう」というモチベーションに大いに関わったのです。
こんな効果が出るとは!
「リサイタルは1人のものではない」というのは、勿論分かっていましたが、その事を、より感じられる結果となりました。
広告主の皆様、本当にありがとうございました。
次回もよろしくお願いいたします! ←
これまでのチラシの掲示
ロビーに、これまでのリサイタルのチラシを掲示させていただきました。
8回分 + 昨年、マルコさんと行ったライブハウス公演の、計9枚。
このウェブサイトには、「これまでのチラシ」のページがあるのですが、実際に並べて見ていただけるよい機会だなぁと思って、掲示することにしました。
最初の頃の写真は、さすがに初々しいですね。
舞台裏の撮影
舞台裏のバタバタしている様子を、少し撮影してもらいました。
後日YouTubeにアップできればと思っています。
コロナ禍を経て・・・10年後へ
コロナ禍を経て、あらゆる人々、あらゆる物事の価値観が変化してしまった中、
これまで続けてきた「リサイタル」というものも、変化に沿って進化をしていかなければならないと考えました。
今までこだわっていたものに、もっと強いこだわりを…というところもあったし、
こだわっていた事を、今一度見直す機会でもあったと思います。
新たなアイディアを試すよいチャンスでもあったし、
コロナ後の世界をどう進んでいけるのか、10年後を考えながら、手探りで、しかし一生懸命取り組んでみました。
結果、良かったことも悪かったことも、すべてポジティブに捉えることが出来ています。
次回のリサイタルへ向けて、アイディアを温め、視野を広げ、夢を持ち、
これからも、様々なパーツを、大事に育てていきたいと考えています。
どうかこれからも、応援をよろしくお願いいたします。
↓終演後のワンショット。マルコさん、ありがとうございました!
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