その57 腹筋との戦い ヴァイオリニストの筋トレ

その57 腹筋との戦い ヴァイオリニストの筋トレ

皆さん、腹筋、やってますか?

筋トレといえば、とりあえず腹筋ではないでしょうか。

腹筋は、どこでも出来ますしね。

でもねぇ…。

「ヴァイオリニストの筋トレ」を書き始めてから、半年以上が経ちますが、重い腰を上げて、腹筋についてのお話をしていこうと思います。

何故「重い腰」かって?

それは…腹筋が嫌いだからです(笑)

「体幹」といえば、腹筋

「エッセイ その43 ヴァイオリニストの筋トレ④」では、体幹の重要性についてお話しました。

「体幹」といって、最初にイメージするのは、やはり腹筋ですよね。

ただ、私の場合は、トレーニングの前段階としてのエクササイズ(リハビリ)を最初に始めた時、

「お腹とお尻、どっちから先にやりますか? (どうせ、どっちもやらなきゃいけないけど)」

と聞かれ、悩んだのですが、とりあえず「お尻」と答えました。

お腹がヨワヨワで弱すぎることは知っていたのですが、だからこそ、お腹から入る勇気が無かったのです。

いわゆる「腹筋」は後回しにしてもらいまして、「ドローイン」から始めました。

詳しいことは「エッセイ その42 ヴァイオリニストの筋トレ③」を見ていただければと思いますが、「ドローイン」は、腹筋群の中の「腹横筋」を使うので、本格的な腹筋のエクササイズをする前段階(すべてのエクササイズ/トレーニングの前段階)として大切なものです。

「ドローイン」を身につけたら、いよいよ「いわゆる腹筋」を始めなければなりません。

腹筋くらい、やったことはありますよね

皆さん、「腹筋」って、今までの人生でやったことはありますよね?

私も、継続して行ったことはないですが、まぁ、さすがに、やったことはあります。

そして、それまでの経験から、既に「お悩み」というか、疑問がありました。

腹筋を数回やると、背中が痛くなってくるのです。

なぜ!?

助けにくる

腹筋をやり始めると、数回で背中が痛くなってくる・・・という方はいらっしゃいますか? 多分、けっこういるのではないかな…?

トレーナー氏いわく、

「腹筋が弱いので、ちょっと使うと、すぐに背中の筋肉が助けにくる」のだそうです。

人の体って不思議。どこかが必ず助けに来て、代わりに頑張ってくれるんです。しかも、自分では気付かない間に。ごく自然に、「頑張る担当」が入れ替わってしまうことがあるんです。

お腹を使いたいのに背中が使われるって、おかしな感じがするかもしれませんが、「反対側の筋肉が代わりに頑張る」というのは、よくある事らしい。

私の場合は、「お腹だけ」をメインで使える時間を伸ばすこと、低負荷にしてお腹だけを頑張る練習…をしていきました。

お腹の筋肉とは

ところで、お腹の筋肉というのは複数あります。

先程出てきた、ドローインに使う「腹横筋」は1番深層。

その上に、腹斜筋(脇腹から斜めに)、腹直筋(中央にあって長い)があります。

皆さんが最初に想像するような「いわゆる腹筋」のエクササイズで、1番使われやすいのは腹直筋です。そして、縦に長い腹直筋の中では、比較的上の部分が、より使いやすい(使われやすい)と思います。

でも、ある程度「腹筋」が出来るようになると、「腹直筋の、もっと下の方」とか、「腹斜筋」とか・・・細かい部位別に、エクササイズを別々にしなければならなくなります。

えーちょっと待って、聞いてない・・・。

筋肉痛?

しばらく腹筋を練習し、少しは「腹筋」がついてきた頃、「筋肉痛って出ますか?」と聞かれました。

腹筋で筋肉痛が出た経験は、以前(若い頃)にはありましたが、肩こりラボでトレーニングをするようになってからは、ありませんでした。

何故でしょう?

前回の「エッセイ56 筋肉痛のお話」で書きましたが、筋肉痛が出ないということは、自分が持っている筋力を100%発揮できていない、という事になります。

筋肉痛が出なくても、エクササイズをした分の刺激は筋肉に入るので、決して無駄ではないのですが、

「一度も筋肉痛になったことがない」のと、「筋肉痛を出そうと思えば出せるけど、今日はエクササイズの強度が充分ではなかったから、出なかった」というのは全く世界が違います。

私の場合、お腹が疲れ始めるとすぐに背中が助けに来てしまっていたので、お腹が「振り絞られる」ことがなかったのです。

「まだ筋肉痛を出せたことが無いですよね。その壁、突破しましょう」

かくして、「腹筋に筋肉痛を!」という長い長い試練が始まりました。

諦めました

「腹筋」に対する苦手意識をやっと克服して、毎朝、少しずつ腹筋をするようになった矢先に、今度は「筋肉痛を目指せ」と。

でもね、

筋肉痛って、毎日エクササイズしていると、出にくいものなのです。

「エッセイ その56」でも書きましたが、

すごく久しぶりに特定の部位を突然使ったり、エクササイズをすると、筋肉痛になるわけです。

毎日やっていたら、腹筋さんは、その刺激に慣れてしまいますから、筋肉痛なんて出ません。

私としては、せっかく毎日のルーティンに出来たのだから、腹筋を毎朝やって「やってる」と満足したかったのに、それでは充分ではない、と・・・?

それから半年以上、私の腹筋との闘いが続きました。

普通の人なら、「腹筋に筋肉痛を!」という目標を掲げたら、1か月もあれば出来るんですって。

え?

でもね、たまーーーーーに、

いくら頑張っても(それこそ、年単位で)、筋肉痛が出ない人も、いるのですって。

(↑これを聞いたのは、半年経った頃です。勘弁して。)

えええ?

私、完全に後者じゃないですか!!!

壁の後も壁

結局、「筋肉痛」という目標を掲げてから9か月くらい経った時に、初めてガッツリと筋肉痛になりました。

お腹に筋肉痛って、気持ちいいのです・・・(涙)

しかし、「エッセイ その56」でも書きましたが、一度筋肉痛が出たら、次は、同じことをしても、もう出ないのです。上回る力を振り絞らないと。

ですから、今でも腹筋は苦手なまま。

だって、こんなに苦しいのに筋肉痛が出ないなんて。

…と言っても、「他の部位なら筋肉痛が出せる」という訳はありません。結局、筋トレ初心者には「筋肉痛」というハードルは高い。

「オールアウト」なんて、別世界のお話でございます・・・。

(でも頑張ります!)

ヴァイオリンのために

腹筋に限らず、筋肉痛が出せるということは、自分の身体を知り、筋肉と対話が出来るということです。自分の身体をコントロールする、ということ。

コントロールできなければ、ヴァイオリンも、思い通りには奏でられません。

私の筋トレの目的は、身体能力を上げ、ヴァイオリンを、より思い通りに奏でられるようになること。

そして、生徒さんや周りの方にも、エクササイズの効果を実感してもらい、ヴァイオリンの上達や、演奏表現の向上につなげてもらうことです。

「ヴァイオリニストの筋トレ」は続きます。

「ヴァイオリニストの筋トレ」シリーズ

その38 ヴァイオリニストの筋トレ①「私と筋トレ」

その39 ヴァイオリニストの筋トレ②(リハビリ編)チェストアップ

その42 ヴァイオリニストの筋トレ③(リハビリ編)ドローイン

その43 ヴァイオリニストの筋トレ④ 体幹の重要性

その44 ヴァイオリニストの筋トレ⑤(リハビリ編)肩のインナーマッスル

その45 ヴァイオリニストの筋トレ⑥(リハビリ編)「股関節の謎」ヒップヒンジってなに?

その52 ヴァイオリニストの筋トレ⑦「スクワット」ができるまで

その55 ヴァイオリニストの筋トレ⑧ ヴァイオリンにいい筋トレ、教えて!

その56 ヴァイオリニストの筋トレ⑨ 「筋肉痛」のお話

この他、Youtubeチャンネルでは「ヴァイオリニスト 小林倫子の筋トレ」シリーズとして、トレーニングの様子等を配信しています。どうぞご覧ください。

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