その58 「プログラム」をどうぞ
「プログラム」
クラシックのコンサートへ行くと、入場する際に、パンフレットのようなものを手渡されます。
「プログラム」です。
その日演奏される曲目や、その解説が書いてあるものです。
この「プログラム」、個人のリサイタルくらいの規模であれば、だいたい4~6ページくらいのものが主流だと思います。
私のリサイタルでは、最近は、6ページが多かったかな?
読んでいただくことで、聴く前の予備知識を得て頂くことも出来ますし、終わって、コンサートを思い出しながら読んでいただいても良いものです。
より一体感を感じながら聴いていただくため、または、余韻を感じていただくためのツールです。
クラシック以外のコンサートでは、あまり、同じような意味での「プログラム」は、見かけないかもしれません。
有料の場合もある
演奏会の規模が変われば、「プログラム」のスタイルも変わります。
オーケストラの演奏会、オペラ公演などでは、より分厚い冊子になります。
オペラの公演では、「プログラム」はチケットとは別料金のことが多いです。その分、内容も充実しています。
オーケストラの公演では、チケット代金に含まれている事が殆どですが、プロのオーケストラの定期演奏会等で配られるものは、お金が掛けられていて立派です。
実は、外国では、小規模のコンサートであっても、プログラムが有料なことが多いです。
どんなに小さなパンフレットであっても、それを作るには人手がかかっていますから、「曲目などの情報が知りたければ、その分お支払いください」ということでしょうか。
イギリスでは、小さな演奏会では数ポンド、オペラ公演などでは10~15ポンドくらいの値段だったでしょうか。
私は、留学時代は、だいたいプログラムを買わずにコンサートを聴いていました。ケチって、というより、毎回買っていたら溜まるいっぽうですし・・・。
プログラムの内容
「プログラム」には通常、何が書かれているかというと、
・演奏される曲目のリスト
・曲目、及び作曲家についての解説
・オペラであれば、演出について、上演史etc より専門的な内容
・演奏者について
・コンサートのスポンサーなどの情報
・その演奏家の、未来のコンサート情報
・その他、おまけのコンテンツ
といったところでしょうか。
演奏される楽曲や作曲家について書いてあれば、それを読んだ人は、
同じ作曲家の別の曲を聴いてみたくなったり、
同じ時代の別の作曲家を聴いてみたくなったり、
または、同じ曲を別の演奏家で聴いてみたくなったり…と、
興味の幅が広がる可能性もあります。
プログラムは、情報の宝庫です。
読まずに捨ててしまうには、あまりに勿体無い代物なのです。
実際には・・・
でも、この「プログラム」、コンサートが終わって帰宅したら、捨ててしまう人も多いですよね?
立派なプログラムだったら、しばらくは取っておいてもいいかな、と思うかもしれませんが、無料で貰ったものだと、どうなんだろう?
そもそも、プログラムを読む人って、どのくらいいるんだろう?
一生懸命解説を書いても、読まれなかったら悲しいなぁ・・・
・・・と考えると、そこまで時間とお金をかけるのも・・・、と思った事があり、
ここ数年は、
「文章にはこだわりつつも、必要最低限の情報を掲載する」
というスタンスで製作をしていました。
そう言えば昔、初めてリサイタルを開催した20年ほど前には、
「このくらいのページ数で、持って帰る時に邪魔にならないような大きさが良い」とアドバイスを貰った事もあります。
ただ、当時と今では、だいぶ時代も変わりました。
もしかしたら今はもっと自由な発想を持って、多少「人とは違う」ことをしてもよい、or した方がよいのではないかな…?
なーんて、思った訳でもないのですが(←)、
今回は、プログラムを少し変えてみたのです。
2023年、私のプログラム
今回私は、コンサートにかける想いを、なるべく伝えられるよう、力を注いでプログラムを制作いたしました。
前回までの数回は自分でデザインしていたのですが、見た目のクオリティがいまひとつになってしまうので、今回は、信頼するプロに依頼し、納得がいくまで相談しながら一つ一つ作業を進めていきました。
今までは6ページだったものを、今回は内容を拡充して8ページにしようとしていました。
ところが・・・
本番まであと3週間、というある日、校正していたら
「どうも、字が小さくて読みにくい」
という問題に直面。
色々考えた結果、「ページを増やす」という決断をしました。
増やすと言っても、「1ページ増やす」という訳にはいかないのです。冊子の綴じ方の関係で、8ページの次は自動的に12ページとなります。
12ページ!?
私ごときのリサイタルなのに、プログラムが12ページもあるなんて・・・
まるで有名人のコンサートみたいじゃないですか!?(違)
時間的に余裕も無い中での決断だったので、デザイナーさんにも頑張っていただき、私も、目を皿のようにして校正。(めちゃくちゃ肩が凝りました)
そして・・・?
果たして、どんなプログラムが出来たのか!?
それは、当日のお楽しみとなります。
演奏とともに、プログラムもお楽しみいただければ幸いです。
あと数日!
皆さま、当日はお気をつけてお越しください。
残念ながらお越し頂けない方も、いつか、お会いできますように。
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