その37 花びら餅のおはなし
年始早々に、和菓子のお勉強に行ってまいりました。
「花びら餅」について、その歴史や変遷を伺った後に、5種類の花びら餅を出していただきました。
講師は、スイーツ評論家の平岩理緒先生。令和アカデミーという場所でした。
(5個、食べるのは無理なので、もちろん、自己責任で、お持ち帰り可です)
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普段は私、洋菓子のイメージでしょう?
でも和菓子も好きです
以前、花びら餅をいくつか買って食べ比べてみた年もあったのですが、なにせ、1月中しか売っていないものなので・・・最近は何年も食べ損ねていまして、今回、講座を発見して思い切って申し込みました。
(以下、花びら餅そのもののお話が続きます。花びら餅の歴史等を知りたい方は、平岩先生お勧めの書籍は、川端道喜著『和菓子の京都』とのことです!)
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今回の花びら餅は、東京に住む私には、普段は絶対に買えないラインナップでした。
5個中、4個は京都のお店で、実際にその日に京都から買って、1人で運んできてくださったと。
合計200以上ですよ!? もう、ひれ伏すしかございません。。
しかも、その中の1店は、基本的には予約しないと購入出来ないそうですし、
和菓子屋さんに疎い私としては、全て初めて聞くお店でしたが、老舗中の老舗有名店なのだろうな、と思います。
本当に感謝です。
・お店のラインアップ・
①巌邑堂 (がんゆうどう)
②二條若狭屋(にじょうわかさや)
③本家玉壽軒(ほんけたまじゅけん)
④塩芳軒(しおよしけん)
⑤ 聚洸(じゅこう)
実は私、以前に、職場近くの和菓子屋さんで花びら餅を購入したところ、餅の部分が、それまで食べたことのない程「ふわふわ」で、「え?これって、花びら餅なの??」と衝撃を受けました。
それまで食べたことのあった花びら餅の「餅」の部分は、普通の求肥風でしたので、あまりの「ふわふわ」に、別のお菓子かと思った程です。
以来、それ程花びら餅を食べる機会がなかったので、他のお店で「ふわふわ」を食べることがないままだったのですが、
今回のラインナップには「ふわふわ」が多数でした。
どうも、京都には「ふわふわ」が多いらしい。
「ふわふわ」のお餅は「羽二重餅」「羽二重風」と呼んでいらっしゃいました。
中には、卵白を泡立てたものを混ぜているお店もあるようです(だから、ふわふわになる)。
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さて、花びら餅を食べ比べる際に、何を比べるか、というところですが、
・お餅の柔らかさ、食感、味
・中の味噌餡の味、柔らかさ等
・全体の、甘さと塩気のバランス
・ゴボウの柔らかさ、太さ、味
・見た目→中のピンクの部分が透けて見えるかどうか、
焼印があるかどうか、
形、大きさ、折り方 etc…
色々と、違いがあるものですねぇ。
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さて、私がいただいた順番は、
①塩芳軒
こちらは、ゴボウが2本入っています。そして、グラッセ状というのでしょうか?砂糖がまぶしてあり、食感が少しカリッとします。
これは、全体の中でアクセントとなり、そして、砂糖の直接の甘さと、味噌餡のお味の絶妙なマッチングが素晴らしかったです。
②聚洸(じゅこう)さん。①の塩芳軒さんの次男さんが、修行の末に独立して作られたお店だそうです。
こちらは、お餅が一際ふわふわ、気泡もあり、少しムースのような雰囲気のある食感でした。
餡の甘さが控えめな印象。
ゴボウは、わりと太めですが柔らかいのです。
実家が塩芳軒さんといっても、決してすぐく似ているわけではないところが、興味深いですね。
こちらは、会場の令和アカデミーの上階にある、お茶室にて、お抹茶とともにいただくことが出来ました。
③二條若狭屋さん
家に持って帰って、次の日にいただきました。
お餅は、柔らかいですが、あくまでも求肥系の柔らかさ?
餡の味が特徴的です。柚子が入っているのかな?すこしスパイシーなものを感じます。
甘さよりも、サッパリ感があります。
上から見ると、中のピンク色が透けていて、可愛いですね。
以下、④と⑤は、撮影は出来ましたが、家族が食べました。和菓子好きな家族にも食べてもらいたい、と思っていたので、それは良いのですが、「美味しかった!」以外のコメントもほしかったなぁ〜
以下は、写真と見た目の印象です。
④本家玉壽軒
5つの中で唯一、焼印が押してありますので、見た目で区別しやすいです。
それと、見た感じからしても、他の4つと比べて、お餅がしっかりしていそうでした。
それに合う餡とゴボウ、どんな味だったのかなぁ〜
⑤巌邑堂 (がんゆうどう)
薄いピンク色が、全体的に少し透けて見えます。
こちらのお店が、実は1番、お餅がやわやわでした。
求肥系の柔らかいもので、当日の時点で、撮影のために袋から出し入れするたびに、少し形が崩れそうになりました。
次の日に、スライスして撮影した時点で崩れてきたので、速攻で冷蔵庫に戻しました。
賞味期限が翌日とはいえ、確実に、当日中に食べた方が良いお菓子ですね。
実はこちらのみ、静岡県のお店で、しかも、日本橋高島屋に店舗があるので、東京でも購入可能だそうです。
百貨店で売られていて、一つずつビニール袋入りで、賞味期限が翌日までです。条件的に買いやすいですね。是非またの機会に、日本橋で購入して食べてみたいと思います。
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さて、この講座のことを知ったのは、ある、尊敬する先輩ヴァイオリニストさんのSNS投稿がきっかけだったのですが、その方にもお会い出来まして!
久しぶりの再会と、仕事(音楽)とは関係ないシチュエーションに、嬉しくてたまらない一時でした。
花びら餅は、甘さと、餡の塩気、ゴボウの味など、複雑に絡み合い、「ハマって」しまう人の多い和菓子だと思います。お店ごとの違いも大きくあり、とても興味深いです。
一年に一度、この季節ならではですので、新年の楽しみの一つとして、また来年が待ち遠しいです。
ありがとうございました!
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