その４8 ヴァイオリン上達の秘訣！ 「よい姿勢」は努力と筋力でつくる
全身の筋力の低下
「その４7」では、２0代の頃のダイエットと、その影響について、お話しました。
結果的に「全身の筋力が低下した」という状態。それは、20～30代にして、「老化」というものを経験した、と言って良いと思います。
筋力が低下したことによって、体力もなくなっており、省エネ人間になり、身体の可動域も減っていき、腰やら肩やら様々な箇所が痛むようになり・・・。自分では、身体がそんな状態になっているとは気づかずに、「何故こんなに体が痛むんだろう？」と悩んでいました。
歳を取っていれば、どれも「歳だからねぇ」と言ってしまえるような現象ですが、30代にしてそんな身体となり、それでもヴァイオリニストとして頑張っていましたが、それはそれは辛い日々でした。
そして、姿勢の悪化
私が痛みをかかえるようになった原因のひとつは、「筋力の低下」と「姿勢の悪化」にあります。
「筋力が弱ったから姿勢が悪化した」のか、「姿勢は元々悪い+筋力も落ちた」のか、どちらかは正確には分かりませんが、
姿勢を良くする+それをキープするための筋力が低下してしまったので、「悪い姿勢・悪い動き」のまま頑張るしかない状態が長く続き、最後に痛みが出ました。
よい姿勢を作るためには、筋力が必要なのです。そして、それを作り、保つには、日々の努力が必要です。
このことは、どれくらい一般常識として認識されているのでしょうか？
トレーニングを日頃からしている方には常識だとは思いますが、少なくとも私は、そんな風に意識したことがなく、「姿勢なんて、気を付ければいつでも改善できるもの」と思っていましたし、自分の姿勢が悪くなっていたことにも気付きませんでした。痛みに悩むようになってからは、痛みのせいで更に姿勢が悪くなっていきました。
もし途中で、姿勢の悪さに気付き、筋力の低下と結び付けて考えられていれば、良い対策を、早めに講じられたかもしれません。
よい姿勢は、健康かどうか、そしてエネルギーが足りているかどうかのバロメーターでもあると思いますし、身体の使い方を良くするためには必須なのです。
姿勢がよくなるだけで、明らかに上手くなる
リハビリで体幹を鍛え、良い姿勢が取れるようになった時、「姿勢が良くなると、こんなに弾くのが楽になるんだ」と実感しました。「以前は出来ていたのに出来なくなっていたこと」も、元通り、またはそれ以上に出来るようになりました。
ということは…
まだ発展途上の生徒さんで、姿勢に改善の余地がある場合、そこを改善すれば、技術的な問題も自然と解決する可能性があるのではないか？と思ったのです。
その視点で周囲を見回すと、ヴァイオリン学習者には姿勢が悪い人がとても多いということに気付きます。
そして、より姿勢が悪い、または、体幹が弱そうな生徒ほど、ボーイングや楽器の持ち方、身体の使い方に、明らかな問題点をかかえていることが殆どでした。
姿勢を指導していくと、楽器の持ち方が安定しなかった人、ボーイングの癖がなかなか直らなかった人に、解決の糸口を見出すことが出来たのです。
「正しく筋肉を使ってつくる」姿勢
「上手くなるためには姿勢が重要」そして「よい姿勢のためには体幹を鍛えるべき」という信念のもと、現在、自身もトレーニングに励み、「ヴァイオリニストの筋トレ」を執筆しています。
体幹を鍛えないと、本当の意味での「良い姿勢」にはつながりません。ここで言う「良い姿勢」とは、「正しく筋肉を使ってつくるもの」です。
私は、これまでの「身体立て直し」で経験したことを元に、「より良い姿勢」に導くことを、ヴァイオリンの基礎指導の根幹としています。それは、あらゆる演奏技術の底上げになりますし、「良い姿勢」の身体からは、スムーズ・かつパワフルな動きが生み出せます。
技術を見直したい方、奏法のどこかにお悩みがある方など、おられましたら、是非、姿勢を見直してみることをお薦めします。
もちろん、体幹や姿勢だけでヴァイオリンが弾けるようになるわけではありませんが、様々なお悩みがある方の解決の糸口探し、または、初心者の方のコツ探しなどに、大変効果を発揮しております。
どんなふうに姿勢を改善すればよいのか、なにがヴァイオリンに重要なのか・・・等、ご質問、ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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エッセイ その39 ヴァイオリニストの筋トレ②(リハビリ編) チェストアップ
エッセイ その42 ヴァイオリニストの筋トレ③(リハビリ編) ドローイン
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